春は多くの定年退職者の退職金が振り込まれる時期となる。退職金をどう使うか検討する際は「使い道を4種類程度に分けて考えるとよい」と言われている。

①「当面の生活に必要なお金」これはいつでも現金で引き出せる普通預金に置いておく。

②「目先5年以内に使う予定のお金」出費の時期(自宅の改修など)をある程度決められるので、定期預金に置いておく。 

③「緊急事態に備えるお金」思わぬ大病やケガに必要となるお金で一般的に生活費の半年分から1年分ぐらいが目安と言われている。

④「余裕資金」資産運用に充てるなら、余裕資金の範囲内が大原則。

退職金で住宅ローンを繰上げ返済する場合は、②の「目先5年以内に使う予定のお金」で考えるのが一般的だ。

繰上げ返済は金利によっても考える必要がある

退職金で一括繰上げ返済はローンの返済負担をなくせるメリットがあるが、手元資金が少なくなると②の「緊急的な事態」が起きた時に賄う資金が不足する恐れがある。0.5%程度の低金利で借りている場合は繰上げ返済をするより、資金を貯蓄に回す方が良いケースもある。

また、住宅ローン金利が低い場合は、退職金で一括繰上げ返済するよりも、ローン返済期間を短縮して返済することで返済額が上がるもののまとまったお金で返済しないので、ある程度の手元資金を確保しつつ返済総額を減らすことも可能だ。

逆のパターンとして借入金利が高く返済負担が重かったり、残債が多く完済時の年齢が70歳を超えたりするなら、繰上げ返済も選択肢になる。

日本経済新聞社4月29日引用

繰上げ返済をするときは住宅ローンに強いFPに相談

退職金で繰り上げ返済をするときは、その資金を運用したときと、返済したときのシュミレーションを一度住宅ローンに強いFPに相談することも老後の家計を守ることになる。多くの金融機関は「退職金プラン」などと銘打ち、金利が高い退職定期と投資信託をセットで熱心に勧めてくるが、住宅ローン繰上げ返済には親身になって相談してくれる担当者が少ないのも知っておきたい。

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