ミックス型住宅ローンのメリットとデメリット
ミックスローンとは
日銀が政策金利を0.25%引き上げたことに伴いメガバンクや地方銀行、ネット系銀行なども短期プライムレートの引き上げを決めました。短期プライムレートは変動金利型の基準金利の目安の1つです。多くの金融機関は10月に基準金利を変更し、個人の信用力などを考慮して決める適用金利も上昇する見込です。
「変動金利型の金利引き上げ」が目立ち始めると、ミックスローンへの関心が高まると予想されます。「ミックスローン」とは、住宅ローンの借入金を「固定金利型」と「変動金利型」など異なる金利タイプで組み合わせて利用するローン。1つのローン契約内で、複数の金利タイプを持つことができ、リスク分散を図る目的があります。ミックスローンは金利上昇局面で毎月返済額の急増を抑える効果があり、毎月の家計では住宅ローンの返済を続けながら、病気、ケガ、失業といった万が一に備える資金や子どもの進学費などの将来必要となる資金を準備することも大切で、金利上昇でこうした資金の確保が難しくなるようならば、ミックスローンの利用を考えてみましょう。ミックスローンでは三菱UFJ銀行やSBI新生銀行などの一部の金融機関では、住宅ローンの返済期間を別々に設定できます。例えば、固定型35年、変動型15年っといった組み合わせも可能です。繰り上げ返済をしなくても変動型の部分の返済を先に終わらせることもでき、老後資金などの将来のお金が必要となる時期までには毎月の返済を減らすことも可能です。
ミックスローンの「メリット」「デメリット」
「メリット」
1.リスク分散: 金利が上昇しても、固定金利部分の影響を受けにくいため、変動金利のリスクを軽減できます。
2.柔軟性: 将来の金利変動やライフスタイルの変化に対応しやすく、家計の状況に応じた返済計画が可能です。
3.金利の恩恵を享受: 変動金利の低金利の恩恵を受けつつ、固定金利部分で安定した返済も同時に確保できます。
「デメリット」
1.管理の煩雑さ: 異なる金利タイプのローンを併用するため、返済計画や金利変動に対する管理が複雑になります。
2.手数料が増える: 複数のローン契約を結ぶ場合、契約手数料や保証料などの初期費用が増えることがあります。
3.返済計画が難しい: 変動金利の部分が予想外に上昇した場合、総返済額が増えるリスクがあるため、慎重な計画が必要です。
特に「2.手数料」について、住宅ローン初期費用を確認します。借入総額の一定割合とする定額型が主流で、現在は2.2%借入総額が基準となるため、ミックスローンでは2本借入ても総額が変動、固定を1本借りる場合と同じであれば手数料は変わりません。ただ、印紙代や抵当権設定登記費用などは1本ごとに必要なので、1本あたり5万円~10万円程度は費用が増えます。
取り扱っている金融機関
1.メガバンク (例:三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行など): 比較的多様なミックスローン商品が用意されています。
2.地方銀行: 地域に根ざしたサービスとして、ミックスローンを提供している場合があります。
3.ネット銀行(例:楽天銀行、住信SBIネット銀行など): 低コストでミックスローンの選択肢を提供することがあります。
ミックス型が年間の新規住宅ローン契約数に占める比率については、あるメガバンクでは「20%弱」と話していました。ただ、ミックス型を扱うのはかつては、メガバンクや一部の地銀に限られていましたが、現在はネット系銀行でも対応が広がりました。金融機関ごとに条件が異なるため、金利や手数料をしっかりと比較検討することが重要です。