
独立行政法人住宅金融支援機構が公表した「リ・バース60」(リバースモーゲージ型住宅ローン)の最新利用実績(2025年4月~6月分)が公表されました
シニア層の住宅資金ニーズは年々多様化しており、信用金庫・地域金融機関にとっても「リ・バース60」は差別化商品として注目される分野です
利用実績の概要と金利タイプ別の特徴
- 申請戸数:328戸(前年同期比 84.1%)
- 実績戸数:289戸(前年同期比 95.7%)
- 実績金額:50.7億円(前年同期比 109.5%)
件数はやや減少したものの、実行金額は増加、1件あたりの融資額が大きくなる傾向が見てとれます
- 変動金利等タイプ
実績金額は49.8億円(前年同期比107.6%)で、利用の中心 - 全期間固定金利タイプ
2025年1月に導入された新しいタイプ、実績はまだ小さいですが、利用は着実に増加しています
資金の使いみちと利用エリア
- 注文住宅(33.8%)
- 戸建リフォーム(23.5%)
- 借換え(18.3%)
- 新築マンション購入(11.9%)
老後の住まいを新たに建て直したり、快適に暮らすためのリフォームに活用されている点が大きな特徴です
利用が多いのは、東京都(14.0%)、神奈川県(10.0%)、兵庫県(7.3%)、愛知県(6.4%)など。大都市圏を中心に広がりを見せています
「リ・バース60」の仕組み
- 満60歳以上が対象(50歳以上60歳未満も条件付きで利用可)
- 毎月の支払は利息のみ
- 元金は相続時に一括返済(担保住宅の売却代金などで対応)
- ノンリコース型なら残債が担保売却額を上回っても相続人が返済不要
老後の住まいの安心と資金計画を両立できる制度として、ニーズは年々拡大しています
今回のデータからは、件数はやや減少傾向にあるものの、「リ・バース60」の1件あたりの融資額が増え、利用がより実質的な住宅取得やリフォームに向かっていることがわかりました
シニア世代の「自宅に住み続けたい」「住環境を整えたい」というニーズに応える仕組みとして、今後も注目されそうです