住宅ローンの適用金利とは

住宅ローンの主流の変動金利型の金利を決める最初の手がかりは「短期プライムレート(短プラ)」だ。「短プラ」とは、金融機関が返済能力を高く評価する企業に、1年未満の期間でお金を貸す時の金利。金融機関は短プラに1%など一定幅を上乗せし、住宅ローンの「基準金利」を決める。基準金利は住宅ローンの 「定価」に当たり、店頭金利とも呼ばれる。各金融機関は毎月公表しており、現在は年2.475%である。

現在、基準金利で住宅ローンを借りる人はほとんどいない。それは、各金融機関が一般的に基準金利から「優遇幅」を引いた金利が契約時の「適用金利」となるからだ。優遇幅は定価からの割引といえ、申込時の審査による。金融機関は個人の勤務先や収入といった属性を確認し、確実に返済されると判断されると優遇幅は大きくなる。

2009年以降変わっていない「短プラ」はいつ引き上げられるのか?

各金融機関の多くは優遇幅を差し引いた「引き下げプラン」の住宅ローンを販売している。現在の大手銀行は年0.3~0.4%台である。「短プラ」は2009年から一定であるが、ネット銀行の参入による競争激化による優遇幅の拡大によって適用金利の水準は下がってきた。

「短プラ」は日銀の短期の政策金利に連動しがちで、仮に日銀が政策金利を引き上げると、住宅ローンの基準金利、さらの適用金利も上がる可能性が出てくる。それでは、いつ「短プラ」は上がるのか?それは、日銀の政策金利の引き上げに影響を受けるので、いよいよその時期は近づいているようだ。具体的には2024年1月に金融市場ではマイナス金利を日銀が解除するのではないかと織り込み済みだ。

日銀の植田総裁は賃金と物価の好循環を見極める上で、「重要な点検ポイント」とする24年の春闘での最大注目点の大企業のよる集中回答としている。組合員が多く人材確保面で有利な「リーダー企業」が高い賃上げをすると、中小企業を含む幅広い企業で賃金改善を促すと見ている。例えばサントリーホールディングスの新浪社長は定期昇給を含め7%程度の賃上げを表明した。このような動きが相次げば日銀は24年春闘賃上げに自信を強めるだろう。

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